いつも私のブログをお読み頂きまして誠にありがとうございます。職人直営の「こもれび塗装」代表親方の伊藤亮でございます。
外壁塗装の説明で、よく「下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りだから安心です」という言葉を聞くと思います。
もちろん、3回塗りは大切です。
ただ、私はお客様に「3回塗れば、それだけで大丈夫というわけではありません」とお話ししています。
同じ塗料を使って同じ3回塗りをしても、塗る量や薄め方、次の工程までの乾燥時間によって、仕上がりや耐久性に差が出ることがあるからです。
今回は、完成すると見えなくなってしまう、塗布量・希釈率・乾燥時間について、私が現場で気をつけていることをお話しします。

塗布量とは「外壁に塗る塗料の量」です
塗料には、メーカーが定めた標準塗布量があります。
簡単にいうと、「外壁1平方メートルに、どのくらいの塗料を塗る必要があるのか」という基準です。
高性能な塗料を選んでも、決められた量より薄く塗ってしまえば、必要な塗膜の厚みをつくれません。
見た目だけなら、薄く塗ってもきれいに見えることがあります。
しかし、外壁塗装は、ただ色をきれいにするためだけの工事ではありません。雨や紫外線から建物を守ることも、大切な役割です。
だから私は、塗料の名前や値段だけではなく、「その塗料を正しく使えているか」が大切だと思っています。
ただし、たくさん塗れば塗るほどよいわけでもありません。
一度に厚く塗りすぎると、塗料が垂れたり、表面だけが先に乾いて中が乾かなかったりすることがあります。
外壁の凹凸や傷み方、塗料の種類を見ながら、必要な量を均一に塗っていく。ここは職人として、とても気を使う部分です。


2液型塗料は、主材と硬化剤の配合が大切です
今回使用した塗料は、主材と硬化剤を混ぜて使う2液型塗料です。
写真の塗料は、主材14kgに対して硬化剤2kg。重量比では7対1で混ぜる塗料です。
私は長く塗装の仕事をしていますが、慣れているからといって、毎回勘だけで材料を作ることはしません。
「このくらいかな」ではなく、秤を使って必要な量を確認します。
料理なら、少しくらい調味料の量が違っても「今日は少し濃い味だな」で済むかもしれません。
でも塗料の場合は、そうはいきません。
硬化剤が多すぎても少なすぎても、本来の硬化性能が得られず、仕上がりや塗膜の強さに影響する可能性があります。
また、2液型塗料には、混ぜた後に使用できる「可使時間」があります。
一度混ぜた塗料をいつまでも使えるわけではありません。その日に塗れる面積と作業時間を考え、必要な分だけ作ることも大切です。
希釈率は、塗りやすくするだけの数字ではありません
塗料は、種類や施工方法によって、水や専用シンナーで薄めて使用する場合があります。
これを「希釈」といいます。
薄めれば塗りやすくなりますが、薄めすぎると塗膜が薄くなったり、色が十分に隠れなかったりすることがあります。
反対に、まったく薄めなければよいというわけでもありません。
気温や外壁の状態、ローラーなどの施工方法に合わせ、メーカーが定めた範囲内で調整する必要があります。
ここは少し専門的な話になりますが、塗料には一つひとつ性格があります。
さらっとした材料もあれば、粘りの強い材料もあります。外壁の模様や気温によっても、ローラーの動き方や塗料の伸び方が変わります。
その日の状態を見ながら判断するところは、職人の経験が出る部分だと思います。

材料を入れた後は、かくはん機を使ってしっかり混ぜます。
缶の上と下で材料の状態が違うこともあるので、少し棒で混ぜて終わりではなく、全体が均一になるようにかくはんしてから施工を始めます。
乾燥時間を守らなければ、3回塗っても意味がありません
塗装工事では、早く進めればよいというものではありません。
中塗りをした後には、次の上塗りまでに必要な乾燥時間があります。
表面を触って乾いているように見えても、塗膜の中まで十分に乾いているとは限りません。
乾燥が不十分なまま次の塗料を重ねると、膨れや剥がれ、縮み、ツヤむらなどの原因になることがあります。
お客様からすると、職人が作業を止めている時間は、何もしていないように見えるかもしれません。
でも実は、きちんと待つことも塗装の仕事の一つです。
私も工期は気になりますし、天気が続けば少しでも作業を進めたいと思います。
それでも、乾燥に必要な時間を飛ばしてまで先へ進めることはできません。
塗料は急かしても、早く乾いてくれるわけではありませんからね。
気温や湿度によって乾燥時間も変わるため、その日の天候と塗料の施工仕様を確認しながら、次の工程へ進みます。


同じ塗料を使っても、仕上がりに差が出る理由
お客様から見ると、中塗りと上塗りは同じような作業に見えるかもしれません。
しかし、実際にローラーを持って塗ってみると、外壁の模様や凹凸によって、塗料の入り方がかなり違います。
ローラーを転がす速さや力加減、塗料を含ませる量も調整しながら塗っています。
今回の外壁のように凹凸が大きい場合は、表面だけをなでるように塗ると、奥まで塗料が入りません。
いろいろな方向からローラーを動かし、塗り残しが出ないように確認しながら、最後に全体を整えていきます。


「3回塗り」という言葉だけで判断しないでください
外壁塗装が完成すると、下塗りや中塗りは見えなくなります。
主材と硬化剤をどのような割合で混ぜたのか、どのくらい希釈したのか、次の工程まで何時間乾燥させたのかも、完成した外壁を見るだけでは分かりません。
だからこそ、見積りを取るときには「3回塗りますか?」だけではなく、次のようなことも確認してみてください。
- 塗料メーカーの施工仕様を確認しているか
- 主材と硬化剤を正しく計量しているか
- 塗布量や希釈率を守って施工しているか
- 工程ごとの乾燥時間を確保しているか
- 使用する塗料や作業内容を説明してくれるか
少し細かい話に感じるかもしれません。
でも、こうした完成後には見えなくなる部分が、塗装を長持ちさせるうえでとても大切です。
私は17歳から塗装の仕事を続けています。
長く仕事をしているからこそ、「塗った直後がきれいなら大丈夫」ではなく、数年後にもこの塗装でよかったと思っていただける仕事をしたいと考えています。
こもれび塗装では、ただ3回塗るのではなく、塗料本来の性能をできるだけ発揮させるため、材料の計量や配合、塗布量、希釈率、乾燥時間まで大切にしています。
「見積書を見ても内容がよく分からない」
「わが家には、どの塗料が合っているの?」
「まだ塗装が必要かどうかも分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
外壁塗装や屋根塗装をご検討の方は、職人直営のこもれび塗装へお気軽にご相談ください。
塗装を無理に勧めるのではなく、まずはお住まいの状態を確認し、職人の伊藤ができるだけ分かりやすくご説明いたします。
こもれび塗装・代表親方 伊藤亮





